モラルハラスメントとは肉体的DVではなく、言葉や態度などによる嫌がらせ行為のことを言います。
加害者のモラルハラスメントによって被害者は精神的苦痛に悩まされます。
政府広報オンラインにも掲載されておりますのでこちらも合わせてご覧ください。

モラルハラスメント具体例
ここでは家庭内、または恋愛関係におけるモラルハラスメント行為の具体例をあげていきます。
長時間・長期間の無視

モラハラ加害者の「長期間の無視」は、相手を弱らせ、支配し、従わせるための心理的DVであり、単なる冷戦や沈黙とは性質が異なります。
加害者はこの心理的苦痛を利用し、被害者の自尊心を削り取り、抵抗力を奪っていきます。
被害者は「無視されたくない」という恐怖から、加害者の機嫌を伺い、従いやすくなります。
無視する側は「あなたと話す価値がない」「こちらが選択権を持っている」というメッセージを送り、力関係の上下を固定化しようとします。
また、問題を話し合うのではなく無視することで、自分が不利になる対話や責任追及を避けます。
その一方で、被害者だけが「対話できない苦痛」を抱え込む構造になります。
人格を否定するような暴言

「お前は価値がない」「何をやってもダメだ」といった言葉で、相手の自己肯定感を削ります。
自尊心を壊された被害者は、自分の判断や感覚を信じられなくなり、加害者に依存しやすくなります。
暴言を繰り返すことで「どうせ否定される」と被害者に思わせ、反論や抵抗を封じます。
モラルハラスメント加害者は他人を見下し、人格を否定することにより、劣等感や不安を抱える自分を一時的に安心させます。
「お前なんて誰も相手にしない」「友達もいなくなる」「親からも嫌われている」「前の彼氏(彼女)もお前が嫌になった」「相手できるのは自分だけ」などの言葉で、被害者を社会的に孤立させようとします。
被害者の心を壊し、自尊心を削り、恐怖や依存を生み出し、最終的に加害者の思い通りに支配するための心理的DVです。
経済的に困らせる

モラルハラスメント加害者が行う「経済的に困らせる行為(お金を渡さない、使途を細かく制限する、勝手に使う、働かせない等)」には、やはり明確な支配目的があります。
心理的DVと同じく、生活基盤に関わるため特に強力なコントロール手段となります。
逃亡・離別を防ぐために行われることが多い。
被害者に「お金がなければ家を出られない」「誰にも頼れない」という状況を作り、逃亡や離別を防ぐ。
また、加害者の気に入らない行動をした際に「お金を渡さない」という形で罰をあたえて制裁する。
特に、小さい子供がいて働けない人や病気等によって働けない人に対して
「働けない=収入源がない」ことを逆手に取り、「お前は俺(私)がいなければ生きていけない」と依存を強めます。
「稼げない人間に価値はない」「お前は何の役にも立たない」といった暴言を伴うことが多いです。
被害者が「お金がないから子どもを抱えて家を出られない」「病気で働けないから経済的に独立できない」と思い込むよう仕向けます。
経済的に困窮させること自体が「逃げられない仕組み」となります。
避妊に協力しない

避妊を拒否することで、「相手の体に対する決定権は自分にある」と誇示します。
被害者の意思や身体の権利を無視し、性的にも従わせる手段となります。
意図せず妊娠させることで、被害者の自由を制限し、加害者に依存せざるを得ない状況を作ります。
子どもが生まれることで生活費・労力がかかり、被害者は経済的にも社会的にも動きにくくなります。
将来的な逃亡防止するため、妊娠や子どもがいる状況では、離婚や別居を考えても「子どもをどうするか」という大きな壁が生まれます。
加害者は「子どもがいるから逃げられない」という状況を意図的に作ることがあります。
その状況を利用して「お前は一人じゃ生きていけない」と支配を強化します。
常に一番正しいと思い込んでいる

会話や議論の場で「自分が正しい」と決めつけることで、常に主導権を握ります。
被害者が意見を出しても「間違っている」「考えが浅い」と切り捨て、発言の自由を奪います。
加害者は責任転嫁が得意で、常に自分が正しいとすることで、問題が起きても「悪いのはお前だ」と責任を押し付けられます。
加害者は自分の非を認めないため、被害者だけが罪悪感を抱え込む構造が固定化されます。
立派な人間だと思い込んでいる
「自分は立派な人間だから、相手を叱る権利がある」「教育してやっている」と思い込み、暴言や支配を正当化します。
モラハラを「善意の指導」や「相手のため」とすり替える狙いがあります。
「自分は高潔だ」「誰よりも正しい」という自己像を保つことで、劣等感や不安を覆い隠します。
被害者に対しては「立派な自分」と比較させ、劣等感を抱かせます。
小さなミスでも相手を責め立てる

モラルハラスメント加害者が「小さなミスでも相手を責め立てる」行為は、単に短気だからではなく、相手を萎縮させ、支配するための心理的操作です。
小さな間違いでも大げさに非難することで、被害者は「自分は何をやってもダメだ」と思い込みます。
被害者に「自分は常に間違う側」「加害者は常に正しい側」という構図を植え付けます。
これにより、関係の中での力関係が不動のものとなり一時的に安心感や優越感を得ます。
被害者は「完璧にしなければならない」と思い込む一方で、完璧を求められることで疲弊し、最終的に抵抗する力を失います。
外面がよい

モラルハラスメント加害者は外部へのイメージ操作が得意。
周囲には「責任感が強い」「家族思い」「立派な社会人」を演じます。
その結果、被害者が相談しても「そんな人がモラハラするはずがない」と信じてもらえず、孤立しやすくなります。
外では「立派な人」、家庭では「加害者」という二重性を示すことで、被害者に「私の方が間違っているのかもしれない」と自己否定を強めさせます。
これにより、被害者は声を上げにくくなります。
家に帰らなくなる

家に帰らない事で「怒っているのか」「どこにいるのか」「浮気しているのか」「事故ではないか」と、被害者を不安に陥れます。
不安にさせることで、被害者が安心を求めて加害者に従うように仕向けます。
連絡を絶つ・帰らないという行為で「対話の機会」を奪い、問題解決を妨ぎ、結果として、被害者だけが「何とかしなきゃ」と追い詰められます。
また、被害者が気に入らない行動をした場合に「無視+家に帰らない」という形で制裁を与えます。
家に帰らないことで、家事・育児・介護といった責任を放棄し、すべてを被害者に押し付け責任回避します。
その一方で「お前のせいで家に帰りたくない」と責任を転嫁することも多いです。
作った食事をわざと食べない

モラルハラスメント加害者が「作った食事をわざと食べない」という行為は、被害者の労力や愛情を踏みにじり、無力感を与え、支配と優越を確立するための心理的DVです。
単なる気まぐれや食欲の問題ではなく、相手を傷つけ、支配するための心理的操作として行われます。
食事は「相手のために時間と労力をかけた行為」そのものです。
それを無視・拒否することで「あなたの努力は無意味だ」というメッセージを送り、労力と気持ちを踏みにじります。
これは「無視」や「拒否」の一形態であり、家庭内で特に効果的に相手を傷つける手段として使われます。
相手の問いに対しはっきり答えない

相手の「なぜ」という問いに対し、「言わなければわからないのか」と逆ギレするなど、相手が対話を試みても応じず、相手の主体性を奪います。
「答える義務はない」「自分の意志を明かす必要はない」と示すことで、力関係の優位性を保ちます。
はっきり言わないことで、被害者が「加害者の意図を読み取ろう」と思い悩むようになります。
被害者に不安や混乱を抱かせ、自己判断を封じ、従属させるための心理的支配の手段です。
曖昧さを武器に、被害者の心理的な主導権を奪う典型的なモラハラの手口と言えます。
どんな努力も認めない
どんな努力も認めず、「当たり前」と扱うことでやる気を奪う。
どんな努力も無駄だと感じさせることで、被害者は「何をやっても意味がない」と思い込み、行動や挑戦を控えるようになります。
加害者は優越感や権力感を満たしつつ、被害者を心理的に抑えつけることで、加害者に従いやすくなります。
常に比較して劣等感を植え付ける

「隣の奥さんはもっとできる」「兄弟は立派なのに」などの比較で、被害者は自分を劣っていると感じます。
劣等感から「加害者の期待に応えなければ」と思い込ませ、被害者の行動や発言を制限します。
逆らうことや自分の意志で行動することが難しくなります。
他者との比較で相手を下に置くことで、加害者は優越感を満たします。
日常生活の中で繰り返されるため、被害者は知らないうちに精神的に疲弊し、加害者の言動に従うようになってしまいます。
家事や育児の責任を一方的に負わせる

「家事や育児はお前の仕事」という態度で、被害者の生活や行動を管理・制限します。
負担を一方的に押し付けることで、被害者の体力・精神力を消耗させます。
被害者は家庭内での負担が大きくなり、加害者に依存せざるを得なくなります。
被害者の心の痛みに優越感をもつ
被害者が傷つくことで「自分が支配している」「自分の力が効いている」と感じます。
悲しみや泣く姿を見て、「こうすればもっと相手を従わせられる」と操作の材料として利用する場合があります。
一部の加害者は、心の奥では自分の行動に罪悪感を抱く場合がありますが、多くの場合は表に出さず、被害者の痛みを利用します。
また、被害者が悲しみを表すことで、自分の権威を脅かそうとしていると感じるため、被害者が悲しむ姿に対して「感情的になるな」「大げさだ」と否定することがあります。
夢や希望に対する否定・批判
モラルハラスメント加害者は、被害者が未来に希望を持ったり夢を描くことに対して、基本的に否定的・攻撃的な感情や態度を持つことが多いです。
これは単なる嫉妬や無関心ではなく、支配やコントロールを維持する心理的戦略として機能します。
「やっても意味がない」と繰り返し言うことで、被害者の挑戦意欲や希望を削ぎます。
被害者の自己肯定感や行動力を低下させ、支配を強化する目的があります。
モラルハラスメントの対処法
ここではモラルハラスメント行為に対する対処法を記載いたします。
被害者の感情を「正常な反応」と認識する

「悲しんでいい」「怒っていい」「傷ついて当然」と自分を否定しない。
否定癖がついている場合は、心の中で自分が否定するたびに「そんなことないよ」と修正する。
自分を否定しない積み重ねが大事です。
加害者の言動は加害者の問題と切り離して考える

「自分が悪いのではない」と心の中で確認する。
ポイントは加害者の言葉や態度を自分の評価とは結びつけないこと。
例①:「お前はダメだ」「何もできない」と言われた場合
「これは加害者の価値観や支配欲から出ている言葉であって、私の価値を決めるものではない」と心の中で確認。
例②:長時間返事をしない、食事を食べない場合
「相手の態度は加害者のコントロール欲や感情の問題。私が何か悪いからではない」「無視されても自分の存在や努力は無価値ではない」と心の中で確認する。
例③:過度な比較や劣等感を植え付けられた場合
「隣の奥さんはもっとできるのに」など比較される場合、比較は加害者が優越感を得るための行為であり、私の能力の評価ではない」と心の中で確認する。
例④:希望や夢を否定された場合
「そんなことできるわけない」「現実を見ろ」と言われた場合、「加害者は自分の支配を守りたいだけ。私が夢を持つことは問題ではない」と心の中で確認。
被害者の希望は加害者の感情の影響を受けず、自分の権利として維持する。
感情を外に吐き出す方法を持つ
書くことで自分が置かれている立場を認識することができます。
また、いざという時に証拠として使用することができます。
重要なのは「感情を否定しないこと」→ 悲しい・怒り・怖いなどは自然な反応であり、我慢する必要はない
「吐き出す方法は一つでなくてもよい」→ その日の気分や環境に合わせて選ぶ
ジャーナリング・日記

毎日、加害者の言動・自分の気持ち・考えたことを文字に書く。
評価や誤字を気にせず、思ったまま書くことがポイント。
頭の中が整理され、感情が客観的に見えるようになる。
誰かに話す(信頼できる人に相談)
友人・家族・カウンセラー・支援団体の相談員などに話す。
批判やアドバイスを求めなくても、ただ聞いてもらうだけでもOK。
孤独感が減り、心理的負荷が軽くなる。
身体を使った表現
散歩・ジョギング・ストレッチ・ダンスなどで体を動かす。
感情を「体で表現」するイメージで行う。
怒りや不安が身体的に放出され、精神が落ち着く。
創作・表現活動
絵を描く、音楽を聴く・演奏する、詩や文章を書く、手芸など。
作品の良し悪しを気にせず、自分の感情を形にする。
内面の整理と癒しにつながる。
証拠を残す
行動・言動・日時をメモする。
「無視された」「暴言を言われた」「食事を拒否された」など詳細に記録。
定期的に見返す:加害者のパターンを把握でき、心理的準備ができる
信頼できる人や専門機関と共有:安全確保や法的対応に役立つ
日記・メモに書く
日時:(〇月〇日〇時頃)
場所:(自宅リビング、寝室など)
加害者の言動:(言葉、態度、無視、暴言、比較など)
自分の感情・反応:(悲しい、怒り、不安など)
ポイント:感情を否定せず「感じたまま」を書く。
詳細に書くほど後で振り返りや相談時に役立つ
メッセージ・メールの保存
LINE、メール、SNSで送られてきた言葉を保存。
過去のやり取りも遡って保存する。
日付・送信者情報が確認できる状態にする。
録音・録画(法律範囲内で)
会話や暴言を録音する。
録音は合法的に取得できる範囲で行う。
記録として残すことで、心理的に加害者の言動に振り回されにくくなる。
外部とのつながりを保つ

家族、友人、信頼できる第三者に状況を相談する。
孤立化を防ぐことで、心理的に加害者の支配から距離を取る。
境界線を設定する
可能な範囲で「これ以上は受け入れない」という自分の限界を明確にする。
安全確保・逃げ道の準備

危険を感じる場合は、避難場所や緊急連絡先を事前に用意する。
経済的・物理的な独立の準備を少しずつ進める。
自分の希望や夢を守る
加害者の否定や比較に流されず、小さな目標から実行する。
信頼できる人に夢や計画を共有し、心理的サポートを得る。
加害者を変えようとしない
加害者を変えようとするのではなく、自分の心身を守ることを最優先にする。
トラウマを認識する

被害者になりえる人はトラウマを抱えている人が多いように感じます。
トラウマを被害者が認識することは、心理的に大きな意味があります。
単に過去を思い出すだけではなく、現在の心理状態や行動パターンを理解し、回復や自衛に役立てるプロセスです。
幼少期の経験が現在の恐怖感・不安・自己否定につながっていることに気づくことで自己理解が深まります。
「なぜ自分はこう感じるのか」が明確になり、自己責任感を過剰に抱えなくなります。
幼少期の被害や否定的経験が自分の価値感に影響していたと理解できると自然と心が軽くなっていきます。
「自分は悪くない」「傷ついたのは自分のせいではない」と認識することで自己肯定感を取り戻しやすくなる傾向にあります。
まとめ
加害者からの被害がひどい場合は明るい未来を想像できないかもしれません。
しかし、人間誰もが自分の足で自分の未来を決めて、歩む権利があります。
あなたの人格を否定する人は、あなたの人生に本当に必要でしょうか。
一度、[世間体][忍耐]から離れて自由を手に入れて
スキップしたくなるような人生を歩んでいただきたいと心から願っています。
このページは今後も新しい情報があれば追加して、更新し続ける予定です。
どうか、この記事を読んでくださってる、あなたが自由を手に入れられますように。
